とにかく安く、美味しくコーヒーをいれる方法…について考える(1)

コーヒーをとにかく安く……というのをあまりにも求めてしまうと、色々微妙な気分になるのではありますが。
ありあわせの道具、買い足すのはたとえ使わなくなってもダメージが無い程度に安い道具を使って、しかし味には一切妥協しない方法を考えてみることにいたします。

なお、個人的には焙煎からドリップまでは、味噌汁を作る程度の手間なんじゃないかと思っております。

さて、安く上げるためには生豆を使うのが最善手。
コーヒー豆の自家焙煎、やったことがなければハードルが高いと考えてしまいがちですが、実は、かなりいい加減にやっても意外とサマになる。

おそらく一番難しいのは、生豆を売ってくれるお店をご近所で見つけることでございましょう。しかし見つからなければ通販がある。
本エントリでは生豆の価格を1kgあたり1500円以下、送料を足して2000円以下と想定しております。

なお、生豆は長期保存性が良く、カビや虫に気をつければ数年単位で消費するペースでも構わないので、まとめ買いをするのもよろしいんじゃないでしょうか。


焙煎前に

  • 用意する道具:ザル うちわ 良く洗って乾かした軍手
  • 生豆はカビや虫に気をつければ長期保存でも味は落ちない。数年かけて消費しても問題ない
  • 買いやすく焙煎しやすく美味い豆はコロンビア ブラジル グァテマラ など
  • どれか一つということであればコロンビア。ブラジルは適正焙煎範囲が広いがチャフ(豆の薄皮)が大量に飛ぶのがやや面倒。
  • 焙煎前にザルに上げて異物を取り除いておく。
  • 麻の繊維は生豆を買うと必ず入っている。これが燃えると臭い上に換気扇をかけても台所にこもるほど煙が立つ。全て除く。うちわでザルの上や下からあおいで飛ばすと良い
  • あわせてザルをふるいのように揺すってやるのも良い。
  • 焙煎前に豆を陰干しして水分を飛ばすのは、やった方がいいかもしれないがやらなくてもいい。
  • 欠点豆はかならず除く。具体的には虫食い-カビなどで欠けている豆、色のおかしな豆。特にカビ豆は一粒でもコーヒーの味(とくに後味)を支配する。全部取り除く。
  • コーヒーを飲んだ後に水が欲しくなるのは、欠点豆が悪さをしている可能性が大。

ここまで、箇条書きだと長いようですが、せいぜい2〜3分。
欠点豆もそれほどは無いはずで、コロンビアなら100gに10粒あれば多い方かもしれません。

焙煎について

  • 小鍋を焙煎の器具として使用する。候補としては
  • ミルクパンなどのテフロン加工の鍋
  • 一人用の土鍋

土鍋は空焚きをすると割れるものがあるが、これは良い土鍋に多い。一人用の安い土鍋なら問題なく焙煎に使える。

  • 鍋は予熱しておく。
  • 最初は20〜30g程度の少なめな量からはじめるとコントロールしやすい。失敗してもダメージが小さい。
  • 豆は鍋に入れたらひたすら菜箸やへらでかき回す。
  • 鍋そのものを振ることができれば鍋を振る。左右に振る-前後に振る-のの字を書くように振るなどして、つねに豆が回転しているように。
  • 火加減は強火→すぐ中火→豆がパチパチ言い出したら火を弱める。
  • パチパチが激しくなってきたら火を止めて、しばらくそのまま豆をかき混ぜる。
  • 見た目で全体の色が適当になったと判断したらザルに上げる
  • 時間はかかるが、最初から最後まで弱火で焙煎する方法もある。豆はパチパチいわず、日焼け肌程度の色にしかならないが、表面に照りが出てきたら終了。

この作業が5〜10分程度。弱火だけでやる場合は20分程かかるかもしれません。
火の通り具合が偏ることもありますが、それも自家焙煎の味。一つの豆に異なる焙煎がブレンドされていると考えればよろしいんじゃないでしょうか?

なお、以前に100均のアルミ鍋で焙煎器具を作る方法を書いたことがございますが、これは熱効率が良いので、焙煎は3分程で終了いたします。
ただし、空焚きになるので、この鍋、柄の取り付け部分が焦げます。ご注意を。
http://d.hatena.ne.jp/idiot-i/20080601
ちなみにこの焙煎器具の作り方、NHKラジオで紹介されておりました。
あなどりがたし、ラジオの情報量。


焙煎終了後の処理

  • ザルに上げた豆をうちわであおぎ、豆からはがれた薄皮(チャフ)を飛ばす。
  • ザルを揺すりながら、上からだけでなく、下からもあおぐと良い。
  • チャフを飛ばしきったあと、良く洗った(もちろん乾かした)軍手で豆をもんでやると剥がれなかった薄皮や煤が取れる。
  • 頑張り屋さんは冷めるまでうちわであおごう。

焙煎した豆でコーヒーを入れるタイミング

  • 焙煎直後の豆では焙煎臭と呼ばれるスモーキーな匂いが気になる。一晩は寝かせたい。
  • ただし、焙煎直後の豆を試してみるのもオツ。なかなか男の子っぽい味。
  • 焙煎豆を使い切る目安は一週間程度に。
  • 長期保存で最初になくなっていくのは甘み。苦味は最後まで残る。味に物足りなさを感じたら砂糖を入れると美味しい。
  • コーヒーの後味として最後まで口に残るのは甘みと香ばしさ。飲んだ後しばらくは体に残って気分が良い。
  • コーヒーを飲み干したあとのカップの香りを嗅いでみると、カラメルのような甘い香りが強く残っている。
  • 深煎りの豆は劣化も早いので、すぐに使い切りたい。
  • 豆から染み出した油で表面が油で濡れているのが深煎りの豆。こだわりが無く飲みきるまで時間がかかるなら避けると良い。


さて先日、業務用スーパーをのぞいておりましたところ、ネルフィルターにリング状の柄が付いて400円程度で売っておりました。
「なるべく安く」しばりだと、ネルドリップで行くことになると思いますが、次回、豆を挽く・ドリップ編は……やりますかどうか。

やらないかもしれませんが。